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    • 2014.11.05 Wednesday
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    木原音瀬さん

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      私は木原さんはBL小説界ではトップの文章力
      もしかしたら一番文章力はあるんじゃないか?と思っています
      木原さんより上手い文章を書く一般小説はありますが
      木原さんより下手な文章を書く一般書の小説家もいますからねぇ
      ベストセラーになったあの作家や賞作家さんなどでも
      私個人的には木原さんのが文章は上手いな〜と思ったりもします


      あと、BL作家さんにしては珍しく三人称が徹底している
      意外と一人称もBL作家さんの場合は徹底はしていないんですよね
      何故なら攻受両方の視点(二人称)で書いた方が
      読み手には二人の感情が伝わりやすいからだと思う
      そして三人称となると多人称ぽく思われがちですが
      そうじゃなくって作者視点といいましょうか
      一人称は「私は○○した」「私は〜思う」と自分のことを
      自分で表現していくものですが
      三人称は「彼は○○した」「山田は〜と思った」などと
      外から主人公の行動などを示していくものなんですよね
      私がBL小説を読んで最初戸惑ったのは
      この一人称二人称三人称の切り替えが突然すぎたり
      ご都合主義だったり、徹底していなかったりしたことです
      文章の基本だと思っていたのでそれに慣れるまではビックリしました
      特に私は三人称の文体が一般書でも好きでして
      あくまで冷静に他人視点で語られる物語のが入り込みやすく感じています
      今では大分なれたので気になりませんが
      やはり綺麗な三人称を扱う木原さんは読みやすいですし
      自分やキャラにや物語に振り回されない文章に対する統率力を感じます


      登場キャラの感情を順序立てて書くのも上手ですね
      木原さんのキャラでは
      いきなり思いもよらない思考や行動に出るキャラはいずに
      読者に「こうならこう考えるのもわかるな〜」と
      ちゃんと納得させてくれます
      そういう当たり前のこともBL小説でもドリーム入りすぎていて
      「え?何でいきなりこうなるの??」つ〜ことがあるので
      丁寧な心理描写は物語を説得力をあげています


      また説明的な文のまとめ方挿入も上手いですよね
      キチンと調べて間違ってない情報なんだろうな〜と思う
      例えば【箱の中】のムショの描写も
      変にBLムショとして誇張して書くこともなく
      実際にないような酷いことを書くこともなく
      かといって、全然本物ぽくない甘い世界感でもない
      私はたまたまムショに入った人の手記やルポを読んでいたり
      そういう文学小説も読んでいたのですが
      木原さんが書くムショの中の雰囲気と違いがなかったんですよねぇ
      BLだとそこら辺(弁護士・警察など)適当にボヤかしちゃう人もいるのに
      キチンとしてるな〜と思いました
      また、自分の調べたことを全部書いて
      物語上そこまで必要のないような所まで長々と書いて
      小説としてのテンポとBL小説としての面白みを半減さしている方もいて
      やりすぎずやらなすぎず的確な説明&描写も上手です


      全体的に文の印象としてはリアルです
      痛い話が多いいと聞きますが、文自体は淡々としていて
      感情的でない分、私は痛みをある種緩和していると思う
      他人に自分のことわかってもらおうとしている熱い文や
      抑えても抑えきれないものをたたえている文のが
      物語として痛くなくても刺さってしまうことがあるからです
      木原さんのお話自体が上記のとおり
      しっかりした下調べ・丁寧な描写・納得のいく過程・無理の少ない心情であるため
      現実的な問題・トラウマ・痛み・葛藤を題材にしたとき
      「リアル」に感じやすく
      そういう完成された文体を持つ方がBL小説家としては少ない(いない?)から
      この的確で読みやすく感情的にならない文と相まって
      読み心地はいいのに重い話なのに私はサラっと読むことができます
      あくまで、外からその主人公の状況を読者が見ているって感じで
      感情移入を過剰にすることがありません
      それが他のBL小説と一線を画してるのかもしれません


      こういう綺麗な三人称の文体に出会ってない
      BL小説以外をあまり読まない方が木原作品を読んだら
      それはもう「新しいモノに出会った!」と思うだろうな〜と


      ただ、普通に純文学を読んでる方の意見のが私は同感しっちゃったり
      「木原さんはBL小説を書いてなければハマったのにな〜」と
      書いてあったんですが
      ・・・・そうなんですよ!!
      BL関係ない話の中でチラっと垣間見える男同志の愛憎
      同性愛関係なく抑圧された男だから持つ熱い面を
      一般書で読んでると「堂々と男同志で現実的な愛」を育むBLでは
      リアルであればあるほど物足りなさを感じる
      BLでのじりじりした愛はジリジリしていてもBLという中で
      出来上がるのが決まっている愛なんですよ
      それが一般書だとどんなに男女の愛より深かろうが
      その愛情には確約が何もない
      そういう始まりも終わりもない男同志の関係性を読んでいると
      始まりもハッピーエンドもあるBLでは違うベクトルのものを求めてしまう
      でも、バッドエンドをBLでは求めてないんですよ
      どんなに辛いことがあっても最後はハッピーエンドなのがBLの良さ
      だから、木原さんはBL以外でBLになるか?ならないか?の
      微妙な男同志の愛憎を書きながらバッドエンド系を書いていたら
      もしかしたらすごく好きだったかもしれないな〜・・・と
      私がそう思ってるだけで
      木原さんの作品が良いものであるのには変わりはありません


      以上、ベタ褒めしましたが
      それではすごく木原さんの作品が好きなのか?というと
      私は別にそれほどでもないというか・・・・
      感動の度合いも期待したほどではなく
      かわい有美子【上海】 榎田尤利【夏の塩・夏の子供】のが
      私は泣けたかな〜
      BL小説以外読まない方にとってはこの木原さんの作品は衝撃だろうとは思います
      それぐらいBL小説の中では優れている点が上記のとおり多いいです
      私が泣けたと上げた二作よりも文章力や総合力としては上かもしれません
      そして、これは私の感覚でそうなだけかもしれません
      そんな私の個人的な感覚で何故完成度の高い木原作品よりも
      完成度的には劣る【上海】【魚住くんシリーズ】のが泣けたのかというと
      情感があるんですよね・・・・
      もちろん木原作品にも情感はあるんですが
      五感に訴える部分は少なかったんですよ〜
      例えば「雨の化石」というN木賞作家の人の短編なんですが
      雨の香りを本を読んでいると感じるんですよ
      そして悲しい場面じゃないんだけど、その雨の香りを感じると
      読者はすごく切なくなる
      主人公の感じる切なさを臭いという五感で追体験してしまう
      またベストセラー「5分後の世界」のラスト
      少尉の飛び出した目玉包んで元に戻し入れ痛み止めの麻薬を打つシーンを
      イタイ!気持ち悪い!酷い!怖い!!
      なのに、何故かすごく感動するし男の色気を感じます
      怖すぎて読み返すのがイヤなほどの文体なんですが
      そこにはその行為を表す以上の覚悟と意志と苛烈さがあいまって
      読み手に感情でない主人公の行動で何かが伝わってくるんですね
      その他にも色々抜粋できたりしますが・・・・
      BL小説でそこまで択一した文は五感に訴える文はなかったりします


      ですが、作者が何を伝えたい!と思った時
      それは技術的な文章力に頼るのではなく
      作者が今まで培ってきた感覚や手に馴染んだ文体
      訴えるテーマによって読者にその情熱は伝わるのではないか?と
      それが情感のある文体だと私は思っています
      「上海」では片思いしている受けが攻めとダンスを踊るシーン
      見返りを求めない献身的な介護・短い二人の蜜月・船の別れのシーン
      「魚住くんシリーズ」では鮮やかな友人たち・おいしそうなインド料理
      病気の少女との出会いと別れ・クリスマスの病院
      飛びぬけて上手い文じゃないんですが
      作者の愛情がところどころに如実に現れています
      それが作品自体を暖かく優しいものになっていて
      作り上げた感動や優しさじゃなく、そうなってしまった・・・・という感じがします
      私は榎田さんの作品をそこそこ読みましたが
      他作品では優しさは感じても作品までも包み込む大きな愛情とまではいかず
      この「魚住くんシリーズ」のみに感じたりするので
      それは作者がどうこうできるものじゃないのかもしれません
      またこの「魚住くんシリーズ」でも完璧に私は納得はしきれないんですが
      それでも作者が「綺麗な話」を書くよりも
      訴えたいこと書ききりたいことがあって出来上がった作品だと思います
      かわい有美子さんは、これは私の感覚とあうだけかもしれませんが
      所々ですごく情緒ある情景描写をするんですよねぇ
      それと「ああ!その気持ちわかる」「そういう時ってわかる」という
      すごく共感する情景があって
      それがBL小説なのに外から見て感動するのではなく
      共感して自分を重ね合わせて感動してしまうという・・・・


      木原はあまりに文が統制されているが故に
      「お話」で泣かされてしまうんですよね
      上手い文は「お話」を伝えるのにすごく良く作用して
      良いお話をより良く感じる
      そこでもう一歩、暖かみや優しさにあふれた
      感情が溢れ情感が篭った文が合わさればなおさらいいと
      冷静に正確にわかりやすく整った文で良く作り込まれて上手い
      だけど、その特性故に『生』ぽさが足りないのかもな〜と
      『生』ぽさはお話がリアルであること
      共感を産むこと感動することとは別で
      私は『五感に訴える表現』だと思っています


      私はBL関係なく小説を読む時は
      そういう『生』ぽさが好きなので完全に好みなんですけどね
      上手いからこそ、勿体ないな〜と私は感じる作家さんです


      たま〜に感情的になりすぎて上手さで行ったら及ばないんだけど
      作者の情熱だけは伝わる!という作品に出会うと
      そういうのはやはり読者にも伝わると私は信じてるんですよね
      そして読者としては作者から与えられるモノだけではなく
      小説として物語以上のモノを読み取れるようでいたいなっと思っています


      良くできたプロットを伝えるための手段としての文じゃなく
      プロット以外のものを小説には求めています






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