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    • 2014.11.05 Wednesday
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    【月に笑う 惣一編】 同人誌

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      私、ちゃんと木原さんの作品を読んだのが【月に嗤う】でした

      梨とりこさんのカラー表紙の繊細な美しさに思わず手を取ってしまった
      その時、このヤクザの惣一がすごく気になったのですよ

      美形で頭がキレて冷静で冷酷
      そのくせ女に後ろをほってもらってる変態

      面白いキャラ造形だな〜と思いました
      ただ、惣一をPニバンで掘る女王様が
      「あの人男の人なのに入れられるのが好きな変態なのよ」
      みたいなことを言っていて(手元に本がないので曖昧でスイマセン)
      本当のプロの女王様ならそんな風に言わないのにな〜
      キレ者の男なんだから質のいい女王様を選ぶはずだけどな〜
      てな、感じにモヤモヤしたのです

      BL関係なく、女王様が男の後ろを攻めるのは
      メジャーや定番ではないにしても、そんなに珍しいプレイではないらしいです
      (風俗のルポや女王様やった人の面白エッセイや
       何でもやる女漫画家の女王様体験記みたいなどで
       実際の女王様の仕事っぷりがわかる本を何冊が読んでいたので)

      木原さんはソコラ辺も含めて現実的に話を書く人なので
      「あれ?どうしたんだろ〜」と思っていので
      その疑問も含めて惣一の番外編が出る!と知って、同人誌を追いました
      完結するまでは読まない!と決めていたので
      読むまで保管し続けて半年以上かかり、つい先日読み終わりました



      イヤ〜・・・
      今まで読んだ木原作品で一番好きでした
      そして、何で単行本化じゃなくって同人誌で出したのかもわかった


      女に後ろ掘られるのが好き→男にヤラれる
      BLだとここの移行にそんなに葛藤はありませんが
      実際はやってる行為が同じでも相手が女か男かは重要!
      後ろを使うのと男と出来るのは別で、絶対男はイヤな人もいるわけで
      惣一はどうやってここいらを乗り越えたのかな?と思っていたのですが


      もう初っ端の一冊目から木原さん飛ばしていました〜

      惣一が自分の警備に神経質になる理由
      指詰めさせた奴が恨んで
      家に押し入られRYO辱されまくってそれがトラウマになっているのです
      この描写が・・・近年のBLに見ないぐらいねっちり書かれていて
      軽くGO問ぽくもあり、しかも木原さんの冷静で現実的で
      赤裸々にわかりやすく書く文体で仔細に表されているのです
      とことん愛情なくビビってる奴を情け容赦なくいじめ尽くす
      快楽とかもないという徹底っぷり
      酷く受けが可哀想な話を書く水原とほるさんでもここまで書かないよ!という
      私の唯一のトラウマbl小説かわいゆみこ【帝〜MIKADO】の
      RYO辱シーン並みに痛い痛い辛い辛い感じでした


      さすが【HOPE】書いた木原さんだな〜
      でも、なんでしょうか酷いんだけどその酷さの中に萌がある気もする
      【帝〜MIKADO】は苦しすぎて読み終わった後怖くて
      本自体手元に置きたくないぐらいだったんですが
      木原さんの惣一の酷いシーンは読み返せるし、BLにしちゃ酷いけど
      なんというかRYO辱萌みたいな
      ちゃんとBLしていてその落とし込みがさすが!でした
      本当に徹底的に痛めつける系だと
      私はBLじゃない「疾走」「笑うY崎」が飛び抜けてやりきっているので
      (二冊とも文学賞作家さんです)
      BLとしては酷いけどBL意外の小説でもくくるとそうでもないかな?
      「帝」はBL意外のところから考えても酷いので
      私は今回の惣一編は「程よいな〜」と思いました

      しかも、私が読みたかった後ろを掘る相手が「女→男」に変化する理由が
      ちゃんとうやむらにせずに書かれていたのが良かったです
      惣一は元から男が好きで、でもそれを否定するために女に男役をやらせていた・・と
      それが死の淵に立ち、残虐に無理やり男にヤラれることによって
      閉じ込めていた性癖が暴かれていく過程が良かった
      男を意識していく過去の様子とそれを封じ込めようとする葛藤が
      M島「仮面のK白」みたいだったな〜
      鉄棒する同級生の腋毛にムラムラするゲイっぽさから
      不良っぽい生徒の革手袋の温もりにトキメク胸きゅんと
      生々しさとリリカルさが微妙に入った感じがあったのです


      で、死にかけるほどの傷を負った惣一は異様にビビリになり
      自分の恋人(女)すら信じられなくなる
      私がプロの女王様だと思っていたのは、恋人だったのです!!
      ここで、本編を読んだモヤモヤもスッキリ
      プロじゃないなら、軽蔑心があってもしょうがない

      そんな惣一が唯一信頼しているのが攻めの嘉藤
      女とできないけど性欲はある、でも他人を信用できない惣一は
      玩具で自分を慰めていたのですが
      旅先で大人の玩具を忘れたことから嘉藤本体が玩具代わりをすることに
      丁寧に自分を感じさせてくれた嘉藤に元から憎からず思っていた惣一は
      前から望んでいた男同士の強い快感にメロメロになってしまいます


      で、ここからが本当の木原節
      あんなに情熱的にやったのに、この嘉藤全然惣一に恋愛感情がない
      本当にない、欠片もない

      トップとして尊敬しているから自分に対して女のようになって欲しくない
      性欲は強いのでヤレることはヤレるけど女のほうが男よりいい
      正直、壮一の恋情は自分にとって邪魔でしかない!と
      そのために他の男を惣一にあてがうのです

      惣一は目隠しをして相手に黙って抱いてもらって
      嘉藤だと思おうとするところなんか、切ないぐらい一途です

      でも、淫乱だし報われないしで男咥えまくりヤリまくり
      ここで普通のBLなら攻めも受を好きになるんですが
      「新しい男調達するの大変だな〜」とか
      「ヤリまくると昼間はキリッとしてるからいいか」と
      本当に惣一に対して愛情はないんですよね〜

      その反面「女みたいに独占欲が強いから情人になるのイヤだな」と
      嘉藤が思うのはわかる
      別にどうしても嫌なんじゃなくって惣一が自分に惚れてるから嫌なんです
      体だけの関係で割り切れるならいいとおもってる
      父親は「あいつは腐った桃だ。周りまで腐っちまう」と言うのも納得
      それぐらい惣一はどうしようもない程、根がねちっこく情念が深い淫乱

      男漁りが周りにも噂になって
      醜聞を消すのと男アソビを辞めさせるのに女との縁談が持ち上がる
      でも、それを自らぶち壊し
      嘉藤は組長直々の命令と自分で見切りをつけて惣一から離れていく



      で、二年後戻って来ても相変わらず惣一に愛情とかないのね〜
      これが普通のBLなら何度もフラグが立つところで立たない!!
      組長は惣一の器に見切りをつけて、嘉藤に次の組長指名した後に
      何者かに襲撃されて殺される
      そこで、惣一は組をまとめあげてオヤジの仇討ちを誓う

      このあたりの裏切り者への追い込みと
      やりとりもBLなのに緻密で面白かったです
      ハードボイルドや暗黒小説好きは気にいるんじゃないかな〜


      で、ま〜色々裏切りやらなんやらあってオヤジの仇討ちは成功するんですが
      それより衝撃的だったのが

      「惣一に女の胸ができている!!」

      昔、ジュネ?で好きな男のために女になる話があるそうですが
      ジュネは結構女が絡んでもいいんですよ
      基本、男同士だけど「恋愛」がテーマではなく
      「愛増が絡んだ人間のドロドロ」=「JUNE」だから
      ドロドロを表すのに男にはない女の執念や怨念は必要だったりする
      なんというか、女のが基本ドロドロしていると思うんですよね
      それは、男に持ち得ない女の性(さが)みたいなもので
      男同士をドロドロさせるのに女h必要だったりする
      昔のジュネ作家で有名な作品でも女が出張る
      山藍先生「長恨歌」とかね〜
      吉原先生「渇愛」も女がすごい

      でも「BL」=「ボーイズラブ」=「男同士の愛」だから
      どんなに綺麗で見た目女っぽくて乙女でも男じゃないとダメ
      ドロドロ愛憎劇がメインではなく「男同士の愛」だから
      そんな「ジュネ」でなく「BL」な昨今
      受けに女の肉体的特徴をくっつけるというね・・・・
      もうコレはBLというくくりの中ではないですよ
      (ジュネならあり)


      最初の出だし→このラストまでを思うと
      こりゃ、同人誌じゃないと厳しいかもと思いましたよ

      あと、私が読んだ木原作品の中では一番エロが多く
      結構やってることも描写もあけっぴろげなのに
      余りエロくない?ですよね
      いや、エロいんだけどその他のシーンと同じテンションで読める
      萌がない、何故なら攻全員に愛情がないから

      BLにおいて攻めじゃないやつとエロがあっても
      意外と「綺麗な男だな」とか「昔から好きだった」とか
      「コイツとやりたい」とか受に対して思い入れがあるんですが
      もう本当、この話は攻め含めて受を処理相手ぐらいにしか思ってない
      だから萌ないのかな〜

      でも、それが悪いんじゃない
      人の薄汚いけどどうしても捨てられない情とか
      残忍になのに、そういう人が持つ優しさとか
      キラキラしたBLじゃない、人の情けない惨めさが書かれてる
      エロってある種、滑稽なところがあるじゃないですが
      でもblではそういう滑稽さを出さないのに
      木原作品は生々しい滑稽さを書き出しているんですよね
      だから、エロくてもエロじゃない部分に目が行く


      最後のラストも何だかな〜
      木原さん的にはラブラブなんだろうけどラブラブか?
      惣一は幸せそうだからいいのかな
      「組長として立派で自分の理想の尊敬できる惣一も
       本来の女の腐ったような惣一も受け入れる」という嘉藤
      これはこれでスゴイことだし

      何かで「男に性欲と情はあるけど愛はない」と言うのを聞いた
      長く付き合うと「情」が沸くから大事にするけど
      「愛」とは違うから「性欲」や「恋」の高揚感に負けて
      他の女に行ってしまう男もいる・・・・とか
      でも相手に深い「情」を持つと他に行くのを我慢するとか?

      これが正しいとは思わないけど
      嘉藤はそんな感じがしました
      惣一に恋愛はしてないけど、可愛いと思って大事に思う情はあるっというか
      惣一の粘り勝ちですね






      なんというか、いつも私は木原さんの作品は
      「少し物足りないな」という部分があって
      それがいつも「色々あってもBLらしさに落ち着く」ところなんだけど
      今回は突き抜けていた分妥協がなくって良かったです
      やっぱり商業用だと色々チェックが入るんでしょうね
      それがいい場合もあるけど
      木原さんみたいにキチンと自分の文章を制御できる方は
      好きなようにやらした方がイキイキするような気がしました
      (崎谷さんは反対に編集さんもっと仕事して・・・・)


      私の読んだ中でで一番面白い木原作品でした
      梨とりこさんの挿絵付き&一冊にまとまったものを読みたい気もしますが
      商業モノとしては厳しいかな・・・

      「薔薇色の人生」も読みたい










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