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    • 2014.11.05 Wednesday
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    【造花の解体】西条公威

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       BLじゃないですね〜
      ヤオイでもジュネでもない・・・・
      こういう雰囲気のは一般書のが出会いやすい気もします
      BL出版社からこういう作風でこの完成度のものが出ているのに驚いた



      まず、私が読んだ中ではBL作家さんの中で飛び抜けて表現力がありました
      内容的にエログロ?に目がいってしまうと思うんですが
      私は8P目のこの文章にすでにこの作家さんの文章の上手さにしびれた

      奪い取った煙草はすぐに火が消えた。
      産まれてはすぐ死ぬ子供みたいに。
      いつまでも裸でいるわけにはいかないと思った


      これ、サラ〜っと読んでしまいますが
      真ん中の文章が上下の文章にかかっているんですよ
      「すぐに消えた煙草」「すぐに死ぬ子供」は連想させ
      「すぐに死ぬ子供」のように「いつまでも裸にいるわけにはいかない」
      こういう手法を実に自然にやっているんです
      「煙草」=「子供」=「自分」ということになり
      一時の京楽的でしかない短い命なんですよね
      そのキーになる「子供」という単語を前後の文にかけて挟んでいる
      しかも、前者は煙草を比喩しての小説としての技法として「子供」を使ってるんですが
      後者では「自分が裸でいることに我に返る」という主人公の現実なんですよね

      そういう文芸小説などでみられる文章表現技法が実にナチュラルに効果的に
      随所に散りばめられている
      意識して美しくみせようとか、感情的にしようとか、感動させようとかのドラマティックな技法でなく
      比喩・暗喩・倒置・句読点と改行・言葉の選別などが今までのBL小説とちょっと違う


      BL小説とは大概「ストーリー」読ませるモノである場合が多いいです
      それはBL読者が「男同士の恋愛」というを求めているので
      それでイイんですが

      それ故に、どんなに感動できるBL小説でも「文学」にはならない
      「感動」=「良い話」=「文学」ではないからですし
      BLに文学的なもの求めていないからそれでもいいんでしょうが

      感動できるBL小説はあるのに何故に文学にはならいないのか?というと
      文芸小説?純文学?とはお話だけでなく
      「文や表現力の美しさ」が大事なんですよね

      面白い話を作るのは素晴らしいです
      それは才能です
      そういうエンターテインメント性が高い作品がN木賞
      エンタメや面白さよりもテーマ性・文体・表現力など小説という形を表すのが
      純文学賞のA川賞かな〜??と
      私は勝手にカテゴリーしていますが
      (この堺が曖昧な作品も多いですし
       A川賞に何度もノミネートされた方がN木賞受賞したりもするので
       一概には線引きできませんが)


      どちらかというなら、BLはエンタメ小説なのです
      BL関係ないエンタメ小説のが文が完結で読みやすく
      ストーリーで感動させてくれたりするので
      一般小説でも意外と文芸作品よりエンタメ系のが泣けたりするのです


      そういうワケで感動できるBL小説はあれど!!
      文体や表現にこだわったBL小説というのは中々出会わない
      「出会ってみたいものだな〜」と思っていたら

      出会っちゃいました!!!

      この小説です



      でもね・・・・面白いのか?と言われると正直微妙なのですよ
      まず萌が私の場合はまったくなかった・・・・・
      木原作品よりもまったくないです
      BLらしさや恋愛?もあるんだかないんだか
      「愛」はあるんだけど、それは人類愛のような広い意味の愛情で
      甘い恋愛ではないんですよね
      「恋」はないといいますか・・・
      執着はあるんですが、それがBLやジュネに置ける「執着愛」とは違う
      「人間追い詰めると頭おかしくなっちゃうよね・・・愛」です
      (なんじゃそりゃ?ですが
       私の表現力が足りないのでこういう言い方しかできない)


      じゃ〜、何が楽しくて読んでいるのか?というと
      私の場合は西条さんの言葉・文章・表現力のセンスが好みだったの〜!!!
      「次はどういう言い回しでくるんだろう?」
      「この痛みを何に昇華していくんだろう?」
      「二人の間にあるものは何なんだろう?」と読みすすめてしまいました


      先に書いたとおり面白かったり萌えたりはしませんでした・・・・
      そう思うと木原さんはやっぱり上手にBLに染め上げているな〜と思いましたね
      どんなにイタイ話でもちゃんとBLしているし萌がありますもん
      そのおかげで読者は痛くても読めるんです
      また次の本を手に取るんです


      ですが西条さんは表題作だけなら
      「もうこの人の本絶対読まない!!」て方もいると思うし
      途中で挫折したり、飛ばし読みしちゃう方もいるんじゃないかな・・・と
      正直私もエログロすぎて、気分悪くなりました
      一々表現が肉体的にイタイ
      それだけじゃなくBLとか関係なく道徳的にありえない
      これは人間としてダメでしょう・・・というのあって
      本当にある種の分野がダメな人はダメだと思います
      救いは精神的な痛みがあまりない・・・と言うか
      主人公が精神肉体ともに痛みに対して緩慢で薄いフィルターを通してでしか痛みを認知しなそうな
      そして、その確かにある痛みでさえもありのままに受け入れていて
      「痛みに対して恐怖していない」もしくしていても気づいていないために
      痛みを快感や食欲と同じように自然に納得していることですかね〜
      それによって、どんなことがあっても読者は冷静でいられます
      この一人称なのに、まるで三人称のように冷めた目線で読めるのも好きでした


      F沢周・馳S周の乾いた淡々とした文体と近しいものを感じました
      女性だとA坂真理・金Hひとみとかかなぁ?
      後は初期のM上龍さんとかも
      「悲しきNE帯」「海の向こうでSEN争が始まる」あたりの作風
      あと、作家名は忘れてしまったんですが龍さんが推薦して帯びを書いていた
      「壊音」という作品が読んでいて思い出されました・・・・
      (内容はほとんど思い出せないんですが)



      まぁ。そういうわけであまりに衝撃的だったので勢いで感想書いちゃいました
      この話に萌を感じている方もいるようですが
      私は圧倒されたし文体が好きだったんですが萌はほぼなかったです


      その後に入っていた短編を集めたもののが一般受けはいいんじゃないかな?
      表題作みたいなグロを書いたとは思えないほどピュアな作品がチラホラ
      そこにはBLになる前の淡い気持ちだけでキスシーンすらないんだけど
      とってもその一つ一つが印象的で美しんですよ〜

      「天頂にプレディアス」一緒に星を見た従兄弟に対する想いと裏切り
      よくある話なんですが、それを上手いことまとめあげています
      でもそれはまだ恋じゃない・・・
      恋じゃないけど失恋に近い悲しみじゃないかな

      「金の花」バスと雨と傘と気になるあの人
      これすごく雰囲気があって好きでした
      最後の一文がすっごく詩的で美しんです
      走るバス、窓の外は雨。
      傘の花がたくさん開く。
      この!!この文のバランスのなんと情緒的なことでしょうか〜!!!
      O崎翠さんのような何気ない一瞬がすごくかけがえない情景になる
      恋が始まる瞬間を切り取ったような短編でした

      「生まれない子供」記憶を保てない父は息子に毎日「誰?」と聞く
      医療事故で新しいことを覚えられない記憶障害になった父と
      父に息子と認識されて愛されたいと望む息子の話です
      「明日も愛してる」を読んだ時に「この障害をあつかうBLはないんじゃないかな?」と
      思っていたんですが、以外に早く扱った作品に出会ってしまました・・・・
      流れ的にはBLらしくて、それでいて西条さんらしかったです

      「POWDER BLUE」好きな人ができると青い霧を出す主人公
      ま〜、ファンタジーな設定なんですが
      たったそれだけなのに幻想的で優しくて切なくていいんですよ
      山田E美さんの唇が幼虫になってしまう女性の話を連想しました
      ありえない設定なのに恋の切なさをそのありえなさが美しく見せるという
      後は私の好きな「雨のK石」という短編とか
      小説なのに実際に五感に訴えるようで香りを感じるようなんですが
      こちらは読んでいて青い霧を一瞬感じるんですよね〜

      「ペットショップボーイズ」ペットショップに友人と二人
      猫よりお前のが可愛い・・・というほのぼの
      題名で海外アーティストを連想した

      「サイクリングヤッホー」大好きなアイドルの名前を自転車に付ける友人
      BL!?ぽさはないんだけど可愛いです
      学生ぽいな〜

      「空港バス」無くなる空港バス・新しく来た新入社員
      何となく草間さかえ絵で脳内変換されました
      BL・・・なのかな〜

      「トレインケプトアローリン」
      これは途中まで何が始まるのかわからなかった
      読んでからのお楽しみ♪な作品
      これも草間さん絵が合いそう
      井上佐藤さんでもいいな〜

      「さよならだ」不倫している少年
      これは文の回し方が好みだった
      それと不倫の切なさと不倫してるオヤジのズルさと優しさが上手く出ている
      さよならだ。
      もう一度繰り返す。
      さよならだ。
      一緒にいるときに家族の話をされてホテルを飛び出す主人公のモノローグ
      そして、オヤジが「君も家族も手放せない」と抱きしめられてのモノローグ
      さよならだ。さよなら。あなたと、別れる。
      最初は改行しながらなのに、ここでは一行に収めます
      句読点の使い方に作者の文の見せ方と表現を感じます
      最後の文もシンプルなのに効果的にこの二つのモノローグを引き立てる
      長々と悲しみや切なさを訴えるわけでも
      読者に主人公の背景(設定)を読ませて
      「この子はとても寂しがりで孤独なのよ」と印象付けるでもなく
      短い文と構成と技術で切なさを最大限に引き出す
      ストーリーだけじゃなく、文体と表現力でまとめ上げてるのが上手い!!


      短篇集は比較的作者の女性的らしい男性にはない表現力が見え隠れします
      表題作は共すると男性的なのにこのギャップ!!
      私は一般書では短編は男性作家さんよりも女性作家さんのが上手いっと思っています
      そういう女性特有の微妙な気持ちの甘さや切なさを感じる作りになっていました
      話がどうこうよりも西条さんの繊細さが光っていて好きでした
      bl関係ない話も読んでみたいですね〜


      「愛されたい、ただ、愛されたい」書下ろし
      ウリ専ボーイ君がリアルだった・・・・
      【YES×3】という作者が実際にそういうところで働いていた(と言われてる)小説がある
      なんかそれを思い出しました〜
      身もよも無く愛されたがっているのがシンプルでいいですね
      最後「二人は抱き合った」というわかりやすい説明を入れずにセリフも入れず
      二人の気持ちを表すモノローグも入れず
      それでも二人が何をしていてどういう体勢なのかわかる
      希望と愛しさを感じられるやり方がやっぱり良かった



      こういうBL小説もあるのね〜という
      とても感慨をうけた本でした
      ただ、おすすめはしません
      上記の色々書かれている一般小説家がわかる方は読むと面白いかも???
      私の感じ方なので必ずしも同じ読後でないでしょうけど



      あと、題名の付け方が上手い!!
      BL小説らしくなく一々短編の題名もいい
      他の本も気になって調べたら、これまたセンスある題名↓
      「夜には凍る道」「孕み猫」「殺人音楽」「太陽の下、風に吹かれ」
      萌ないんだけどBL関係なく読みたい題名です

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