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    • 2014.11.05 Wednesday
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    【WEED】木原音瀬

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       CD聞いて何だか色々納得いかなかったので小説購入
      CDの感想はこちら→【WEED】


      金ひかるさんの挿絵も見たかったのです
      何だか好きなんですよね〜、この方の絵が昔から
      ただ、絵自体は好きなんだけどキャラとしてあっているのか?というと
      主人公の若宮が可愛すぎる気がする
      若宮は背丈がバリ攻めぽい谷脇とそんなに違わないと書かれてるし
      「美形でかっこいい」と周りから言われてるのに
      (岡田のアパートの前で会った時に一緒にいた同僚が言ってるのです)
      絵柄だと『細くて美人で可愛い系』なんですよねぇ
      本を読む限りだと若宮岡田がどっちが攻め受けかわからないような形容の仕方なのに
      挿絵だとバッチリどうみても若宮が受け受けしい

      まぁ。でも絵自体は本当に好きなのです
      熱をだしている岡田を看病するスーツ姿の若宮の挿絵とかすごく好きだし
      谷脇がGAN射した若宮の顔を舐めるカットとかも色っぽいです
      木原先生の脳内イメージにもピッタリみたいですし悪くないんですが
      どうも文で表現されている若宮と挿絵に隔たりを感じてしまいました・・・・
      岡田も文だともうちょっと中性的で細身な気がするんですよね〜
      谷脇だけはバッチリイメージ通りだった!



      CDでは岡田が恋愛体質と言いながらも
      まったくもって執着心や粘着質なところや重い愛情表現とかがなくって
      「どこが恋愛体質なんだ?
       若宮ばかりがモヤモヤした恋愛感情に振り回されてる気がする
       もっと岡田が愛情を注げばここまで疑り深くならないんじゃないか?」
      と思ったんですが
      小説では岡田の愛情の深さや静かだけど確かな執着心とかが見えました

      私が攻めの執着愛が大好物なのと
      それを感受してメロメロになっている若宮も可愛かったので
      ここいらをもうちょっとじっくりCDでは聞きたかったですね〜

      あと、色々小さいエピソードがずいぶん省略されているのもわかった
      「若宮は嫉妬深い女々しい男だなぁ」とCDではうんざりしましたが
      小説読むと違う意味でうんざりする男だとわかった
      小説でも女に嫉妬してるんですが、自分でもそんな嫉妬してるのがおかしい
      岡田が本当の意味で浮気してるわけじゃないし
      浮気するタイプでもない
      今は自分を愛していて、自分に嘘をつかないのを知っているんです
      それでも岡田を信じきれずに些細なことでイライラする自分に
      若宮自身が戸惑って不安になって
      心のどこかで不安になるのは自分が悪いとわかりながら
      その解決方法がわからないし、岡田が何も悪くないのを知っているからこそ
      『そんな自分のイラだちを何も知らずに変わらずに愛してくる岡田にムカツク』悪循環


      小説の方が女に対する嫉妬というよりも
      根深い若宮の人間不信?みたいのが感じられました
      岡田を信じられない自分に苛立っているのに
      その怒りを岡田にぶつけてしまい
      無責任に怒ってる若宮のことを岡田も持て余して
      若宮の言うとおりに距離を置いたり、離れたりしてみるものの
      それがますます若宮も寂しくさせ苛立たせる

      面倒くさい男ですね・・・・
      そして、意外にもこういうタイプの女いますよ!
      知り合いに美人で可愛くて性格良くてモテる子がいまして
      本当女の子に対してはすごく接しやすいしわかりやすいんですが
      男に対しては面倒くさいんですよ
      そのモテ子自身気になってる男がいて、その男からデートに誘われると
      嬉しいのに、OKできる状況にあるのに断る!
      二回目誘ってきて、やっぱり嬉しいのに断る!
      モテモテで他の男からも人気の女から二回も断れたら男は心が折れますよね?
      「何で断るの?好きならOKしてデートだけでもしてみたら〜」て聞いたら
      「断っても断っても強引に何度でも誘って欲しいの!!
       私が仕方ないな〜って態度に出るまでめげずに誘って欲しいの・・・・
       でも、みんな2回ぐらい断ると誘ってくれなくなるんだよねぇ(-_-;)」
      そりゃそ〜だろうよ!!!


      あとは、彼氏の前カノが気になってしょうがなくって
      別れて半年経つのに自分の前で前カノに彼氏から電話させて
      「俺、もうお前のこと好きじゃないから」と言わせた女とか
      (前カノから貰ったものや写真なども全て処分させた
       そのクセ、自分は前彼との思い出をとっとくというね・・・・・)

      彼女ら2人からしたら、それが究極?の愛情確認だったんでしょうね
      付き合う男は大変だ〜
      でも、そこまでしてもちゃんとした安心は得られないみたいで
      いっつも二人ともモヤモヤしていました



      そう思うと若宮の行動や思考は何となくわかるような気がする
      共感はできないけど
      「こういう考えの女いるよね〜」みたいな
      なので思ったより【EVER】はラブラブに感じて読めました
      絡みの書き方や文体が淡々としていますが
      以上に愛情確認したがる若宮が岡田に愛されてるのに納得がいかずに
      一人で暴走して、でもやっぱり好き!!みたいな
      岡田視点だったらわがままで可愛い恋人に振り回されてる
      もっと淡々とした話になってだんんだろうな〜



      よく木原さんの作品が純文学だ!と言われたりすると
      私は何だか違うな〜っと思うんですよね
      それは文体とか表現とかは好みがあるし、評論家じゃないので言及できませんが
      木原さんの作品をそこそこ読みまして
      そこの根底にあるのは【一途なんだけど綺麗なだけじゃない執着愛】なんですよね
      【執着愛】は良くBLに出ているんですが
      木原さんが他と違うのはエロや「こんなに愛されて幸せね」という安易な萌にしない
      そして、どんなものでも【愛なら美しい】となりやすいBLというジャンルの中

      美しくない愛情 
      歪んだどうしようもないけど一生懸命な愛情
      普通では理解しがたい形の愛情

      そういう普通のBLでは表現しないタイプの愛情を取り上げている
      そこに木原さんの独特の読みやすいんけど淡々として冷めていて
      でも、フットした瞬間に熱いものが滲んでいる文体が合わさって
      他作家にはない世界観を表している
      この世界観は木原さんにしかない
      BL小説でこういう作風は木原さんしかない
      そして美しいし良くも悪くもすごく印象に残る
      萌自体を救いとるのが難しい
      色んな要素が絡みあって「BL小説というカテゴリーで比較できるものがない」から
      「この痛々しくても美しく独特の世界観は純文学じゃないのか?」となるのかもしれない
      でも、純文学ではない・・・・と私は思うんですよねぇ
      (私がそう思うだけなんですけどね・・・・
       A川賞作品を50作以上読破、月10冊前後の読書、昭和大正作家も好きだよ!みたいな方が
       木原さんの作品を読んでどう思うのか聞いてみたいです!
       BL以外も乱読する活字中毒みたいな読書家の感想が知りたい〜!!
       それも一人じゃなくって色んな人の感想を)


      私がどうも引っかかるのは木原さんが書く【執着愛】
      それを持つ人物の性格、その愛情を向けられる人物、二人での物語
      その時々の気持ちの揺れ動き、二人の関係性、物語の展開
      そういうのは毎回キチンと書かれている
      理解しがたい人物でも心惹かれる、読み込ませるものがある
      それによって、読者はこのわからない人物を理解したい!と思える
      その筆力?人物造形は木原さん素晴らしいんです

      ただ、毎回思うのが
      「何故、その人物にそんなに強い執着愛を持てるのか?」がわからない


      今回も若宮が何故に岡田を好きになったのか?
      岡田の若宮への深い愛情はどこからくるのか?
      わからない
      名作【箱の中】【檻の外】でも堂野の清らかさに喜多川は触れ執着するが
      それは本当に堂野じゃなければダメだったのか?
      優しく慈悲深い女性でもいいのではないのか?
      まだ、堂野は喜多川を受けいれるけど
      もし妻が不貞をせず子供が存命だったら幸せな家庭と喜多川
      どっちを取ったのだろうか?

      などなど、他作品でも色々思うところがありますが・・・・・
      愛情が生まれて、その後の経過を描いてはいますが
      それ以前の「愛情が生まれる・愛情を自覚する理由」
      物語の根底にあるそこをいつも書ききってない気がするんですよね
      それは、色んな小説を読んでいても難しいテーマである種の思想的なものでもある
      宗教的にもなりやすいし、精神世界だったり、脳科学だったり
      突き詰めても答えが見えずにわからないんですが
      純文学というのはそういうわからないモノに対して
      作家が思想し思考し突き詰めて問いただしていく・・・・
      読者に問題提起しながら物語にする・・・というのが
      根底にはある気がします

      だから、最初のその【執着愛】ができる段階を書ききってはいない木原作品は
      私は純文学ではないんじゃないかなぁ?と思ってしまうのです
      BL小説なので「愛」を自覚してから展開していった方が物語的には面白いですからね
      エンタメである以上、思想的?になっても仕方ないと思いますし
      私は木原さんの作品は純文学ではないけど素晴らしいと思ってます
      ただ、純文学だ!と言われるのにはいつも疑問を感じていまうんですよねぇ




      多分木原さんは男同士の愛情物語を書かなくても
      素敵な小説を書ける方じゃないかな〜?と思います
      【WEED】は新装版で書下ろしが入っていました
      三部作の谷脇主人公【FLOWER】に関連している短編書下ろしだと思うんですが
      特にメインカプのBL部分に照準があってないのに面白いというか
      心に残るいい話になってるんですよね
      【檻の外】も最後の「なつやすみ」の子供の話が一番、私はイイと思った
      BL関係ない、思いやりとは何か?大切なものとはどういうことか?家族とは?と
      テーマが「男同士の愛情」からそれていた方が矛盾なく表現されている気がした
      そして、それがちゃんと読者の胸に刺さった

      だから、きっとBL小説じゃなくっても木原さんはそこそこ良い小説書けるんじゃないかな?と
      最近は思うようになりました
      あまり木原作品読んでない時はそう思わなかったんですが
      今ではBLや萌がない木原作品も読んでみたくなりました





      「ブルース」というA川賞作家さんの代表作があるんですが
      そこにヤクザで同性愛者が出てくるんですよね
      そいつが主人公を愛しまくってるんですがその愛情表現が歪んでいる
      最後まで歪んでいる
      醜く劣等感の強い外道で冷酷なオッサンヤクザで、気持ち悪いところもあるんだけど
      哀れで怖くて悲しくて、でも主人公に対する深い愛情を感じる
      どうして主人公を愛してるのか愛さずにはいられないのかも分かる


      女性作家さんのN木賞受賞作
      それぞれの家族を描いた短編が全部連なることでなる長編
      兄妹の禁断の愛情が書かれいて
      萌系やBLみたいに最後ハッピーEDにはなりません
      じっとりとした女の情念と思いの深さが何とも言えない余韻がある
      この作家さんの書く女性がいつも苦手で
      文や話自体は好きじゃないんですが、私の好み抜きにして渾身の一作
      自分が嫌いだけど「名作だよ」と薦められる作品


      作家自身がレズで女同士の恋愛小説を書き文学賞も受賞
      女同士の恋愛ものではないんですが
      主人公の医者が難病な息子を抱えた女に惚れて
      家庭も時間も金も全てを女と息子に捧げる
      これ、母親に惚れているようでいて医師が執着しているのが息子なんですよね
      この息子が美しく儚く透明感あるのに暗い魅力がある
      順風満帆な人生をなげうってでも、ただそこだけに自分の全てをかける
      結果が良くないのはわかっているのに投げ出してしまいたい
      その医師の気持ちからラストの美しいまでの絶望


      三作に共通するのは「どんな結果になろうとも愛さずにはいられない業の深さ」
      木原さんの執着愛は重く、業の深さがあるんですが
      「何故愛さずにはいられないのか?」が書ききれてない気がする
      もしそこに焦点があった作品ができたあがったら私も
      「これは純文学だ」と言えるのかな〜どうかなのかな〜・・・・




      BL作家さんって男同士の萌が書ければイイって部分だけだと
      BL絡まない話になると、途端に面白くなくなる場合がありますから
      そうならない木原さんはやっぱりスゴイんだと思います


      んんが!!
      BL作家としてスゴイけど
      小説家としてスゴイか?というと別の話なのです

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