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    • 2014.11.05 Wednesday
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    【恋愛前夜】

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       幼馴染ものです
      さらに上京ものが絡んでいていて
      結構設定とかはベタだと思います


      虐待されていた攻めを受けちゃんが助けたり
      漫画化になるという夢を幼い頃から持っていて
      確固たる意思があるので一人でいるのが平気な攻めに対して
      軽く劣等感を持ってしまう受けちゃん
      イジメにあっている受けちゃんを助ける攻め
      攻めは受けちゃんを恋愛感情で好きなのに
      友達にしか思えない受けちゃんはふんぎりがつかずに
      そのまま上京する攻めちゃんと離れ離れ
      離れ離れになって初めて恋心に気づく・・・とか



      王道だと思いますし、普通っぽい
      (作者が普通を目指していたらしいので狙いが成功している)
      そういう王道展開なのにただの王道にならなかった部分が
      凪良さんの作家としての上手さじゃないかな〜と思います
      例えば、主人公を虐めた相手に対して攻めが反撃するんですが
      最終的に助けた攻めのが退学することになります
      虐めに対して大人たちは後ろ暗い思いを抱きながらも
      結局糾弾しきれずに逃げてしまうんですよね
      その後、イジメに加担してしまった友人が誤ってくるんですが
      主人公は「謝るなら最初からするな」と許せない
      変に寛大だったり優しすぎない
      そして、いじめた人物は特に小説の中で制裁されたりしない
      悪いやつのまま主人公と和解することもなく退場します
      そういう細かい描写がBLなのにリアルでした
      BLは夢・妄想・萌みたいなもの
      その中でほんの少しのリアルな差し込み方が作者の腕の見せ所
      心情描写を繊細するか、主人公に感情移入しやすくするか
      情景描写で読ませるか、文体を整えて説明をわかりやすくするか
      主人公の環境を現実に則した見せ方をするか
      いろいろなやり方があると思うんですが
      凪良さんは主人公の心情の丁寧な描写
      社会や周りの情景の現実感を程よくさりげなく織り交ぜるのが上手です
      これが崎谷さんだったら虐めた奴はものスゴイ悪者になり
      後からガッツリ制裁・成敗されると思うし
      受けに言い寄る女の子はもっとねっちこく書かれると思う
      (最近崎谷さんの本を読んだので何となく比べてしまいました)
      そんなに、周りの人たちはイイ人ばかりじゃないけど極悪人ばかりでもない
      主人公達も優しいけど弱いだけだったりもしないし、聖人君子だったりもしない
      そのさじ加減が調度良かった


      主人公がいつまでも友人の一線を超えられないのも
      「ウジウジしてないで決断しろよ!」てならずに
      「迷うのもわかるな〜」と思ってしまった
      人間的に好きだけど、同性だから愛せはしない
      その微妙な境界線がちゃんと感じられた
      BLだとこの友情から愛情への以降がスムーズなんですよね
      で、安直に体の関係を書ききらなかったのも好きでした
      「友としか思えないけど寝ることは出来る」って同性同士は無理でしょう
      同性でエッチは出来て、特別に思っているのに愛情じゃないってなによ?と
      たま〜に思ってしまいます
      特に受けがそうなっている場合はそうそう男相手に女役はできないだろ?と
      攻めの場合は性欲って思うこともできるけど
      (そこを突っ込むとBLは成り立たなくなる話もあるので
       ゆる〜く楽しんでいるのですが
       また、そこを上手く納得せさてくれる作家さんもいますし)
      【HOLD OUT!!】という少女漫画で主人公が変な男に愛されまくって
      最初は振り払って拒否しまくるんですが
      最終的に彼を親友と認めてしまう話があります
      それは少女漫画なので恋愛に発展しないまま終わってるんですが
      ちゃんと「友情だけど愛情じゃない」のがわかるのに
      その友情が他にかえられないくらい大事なものなのもわかる

      BLだとその「何ものにも変えられない友情」=「愛情」になりがちなんですが
      このお話ではちゃんとその違いがわかるのも良かった

      で、そんな友情が愛情に変わる描写も丁寧でした
      告白→離ればなれ→「離れたくないお前が好き」てなわかりやすい展開なのに
      この3プロセスの間に流れる時間がゆっくりなんですよね
      劇的な何かがあるのではなく、ゆっくりゆっくり離れる準備をしたり
      言葉をかわしあったり、普段通りにご飯を食べたり
      そういう日常の中でドラマチックな演出なく別れていく
      だからこそ、最初の中編【隣の猫背】の最後の最後で
      自分の恋愛感情を自覚する受けに感動しました
      なぜ好きになったのかや寂しさをクドクド書くのでなく
      彼がデビューする漫画の題名を見て攻めの気持ちの重さに気づく
      その数行で受けが恋愛を自覚したのが伝わったし
      あんなに「恋愛」を拒否していた受けが恋に堕ちるのも
      仕方ないというかありえると思いました
      これが、普通に高校時代とかに出会って主人公に告白する内容だったら
      漫画であんなに頑なだった受けが恋愛に落ちるのは在り来たりに感じてしまうけど
      丁寧に幼馴染で色んな思いを二人で乗り越えてきたからこその
      この恋への堕ち方だと読むと、納得でるというか
      心に響きます


      小説ってたくさんの文章で読者に理解を求めることより
      短い文章でどれだけ感動をあたえて
      それで物語の全てを理解させることの方が難しいし
      また、そのたった一文が「小説としての全て」であるとも思うんですよね〜
      まぁBLにあまりにそういうのを求めていたりはしないんですが
      たまに、そういう作者の意図と構成力と文章力と展開力と物語が
      ガッツリはまっているのを読むと嬉しかったりします



      表題作【恋愛前夜】
      主人公の受けが上京して攻めに会いに行くも
      すでに攻めには新しい恋人がいて・・・
      こちらも結構王道展開です
      ちょっと砂原糖子「夏雪」にも似ているかな?
      細かいところは違うけど雰囲気とか


      私ウジウジ・メソメソ受けが苦手なので
      「そんなに好きならハッキリ告白しろよ」
      「攻めもまだ好きなんだろ?サッサっと受けをどうにかしろ!!」

      いつもはイライラしちゃうんですが
      今回はそうならなかった
      「お互いの気持ちを言えない二人の気持ちがわかるな〜」となった
      だって、攻めの恋人の漫画家の先生が魅力的なんだもん
      キレイで可愛くて何でもできる完璧な恋人とかじゃありません
      ネガティブだし漫画以外なにもできなしいオネエだし
      情緒不安定でヤキモチ焼きだしで
      全然人間として出来てないけどそこがいじらしくて可愛い
      こんな先生を裏切れない&捨てられない!!
      オネエ先生を主役に考えてもBL王道展開なんです
      漫画以外の才能がなくネガティブなダメ人間でいつも悪い男に騙される
      そんな自分に自己嫌悪しているオネエな漫画家
      そこに真面目で誠実で優しい新人漫画家が現れる
      彼は昔の恋人が忘れられないみたいだけど
      何度も告白してお酒の勢いで寝て恋人になり
      最近は色んな意味で支えになり愛されてる気もしてきたところに
      昔の彼の好きだった人がやってきて・・・・・
      最終的に攻めは昔の人とちゃんと切れて
      「彼を忘れさせてくれたのはあなたじゃないですか・・・
       今はあなたしか好きじゃありません」とか言ってハッピーED
      崎谷さんの昔の作品にありそうな展開ですね
      そして、そうなってもおかしくないからこそ!!
      この先生がやっと手に入れた誠実な恋人を昔の男に取られるのが
      かわいそうに思ってしまうの〜!!
      主人公は幸せになってもらいたい反面・・・今回は途中で
      「主人公が攻めにフラれるEDもありじゃないかな」と私は思ってしまった
      ラスト、攻めと先生が和解するのでなく
      主人公と受けが気持ちをぶつけ合ってそれでも理解する
      お綺麗すぎるんだけど、そこで泣き崩れる受けの気持ちもわかりました
      主人公たちよりも先生の気持ちを思うと切なくて泣けました


      あと、受けが攻めや先生の漫画アシスタントにならずに
      ちゃんと別途就職したのが良かったな〜
      BL的にはアシスタントの方が流れがいい気もしますが
      誰かに頼らずに経済的に自立したのがスッキリした
      生活面を攻め様に頼るのは女ならいいけど男としてはどうかと思うのです


      話は王道で語り口も優しいのに虐待イジメなどの重いものを扱い
      でも、そこに固執しすぎず、かと言ってありきたりなオチを付けず
      ちゃんとそれ自体を適度に考えさせ
      二人の関係を進め仲を深める物語の展開に絡める手法
      萌と切なさをちゃんといれこんでくる凪良さんはうまいな〜と思いました
      お事件とほどではないですが、物語を動かす要素を入れながら
      それが全て二人の心情や距離感に絡めてあり
      ちゃんとBLを踏まえてありました
      先に崎谷さんの作品を読んでいたので、物語を展開させながらキュンもいれる
      この加減の上手さが引き立っていた気がします



      個人的に【積み木の恋】より、こちらのが泣けました
      何だろう?
      どっちも王道展開を上手く書いているんですが
      こちらの作品のがちょっとした小道具や人物の詰め込み方がよかったのと
      BL王道なんだけど現実感が適度にこちらのがありました
      あと、ラストが甘甘の二人とかで終わらないのが余韻があって良かった
      私が先生に感情移入してしまったせいもありますが
      ラブラブ甘甘で終わったらせっかく主人公が先生のために泣いた涙の意味が
      薄くなってしまう気がしたので


      本来私はオネエでウジウジしてる受けが嫌いなんですが
      好みじゃないのに先生は魅力的だったと思います
      そして、先生にも幸せになってもらいたいな〜
      楽しみでスピンオフが読みたいというより、先生を幸せにしてほしいので
      スピンオフが出るといいなっと思いました
      (でも凪良さんって続編やスピンオフ作品ないんですよね〜)




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